親に甘える
結婚して夫がいて、自分の子はまだいない。
自由な時間をもらって実家に帰ってきて
親にいつも通りおかえりと迎えてもらう。
自分と同じように一年ずつ年老いていく親、
けれど親に会うと昔のように親と子に戻る。
白髪まじりになるけれど口は達者のまま。
肌にハリがなくなり体はほんのり小さく見え、
階段を登るのが少し大変そうに見えても普段と変わらない姿と思っていたい。
母のご飯が食べたくて、寝ていてもご飯を作ってくれて
少しだけ口煩く声をかけてくれる優しさ。
寝るときには静かにドアを閉めてくれるあたたかさ。
30手前の大きな子供にいつもどおりで接してくれる。
こんな時間はもう次とないんだろうと思いながら
改めて何かするというのは気恥ずかしくて
実家に住んでいたときと同じように振る舞ってしまう。
親が元気でいてくれるって本当に幸せだなあと
ドアを静かに閉めてくれる優しさをきっかけに
こっそり枕を濡らした。
いつもありがとう。お父さん、お母さん。